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Ryuta Imafuku | |||||||||
滋賀県の湖北地方。この、山と湖に囲まれた陰影深い土地にひっそりと静まるように、小さな町や村が素朴な日々の営みをつづけています。そんな町の一つ、木之本町。商店ひとつなく、古い洋館造りの図書館がポツンと建つ淋しい駅前の一角に、「丸三ハシモト株式会社」の工場がありました。
* ここで、日本でもほとんど唯一といってもいい、さまざまな和楽器の絃が手作業で製作されています。数少なくなった国産生糸。けれど賤ケ岳の麓にある木之本町の大音地区では、貴重な蚕の繭を近隣の養蚕農家から仕入れ、賤ケ岳の雪解け水を使い、座操りという昔ながらの手法によって糸を取る手技が細々と継承されています。その、桑の新芽を食べて育った蚕による春繭からできた生糸だけを用いて撚りあげた和楽器のための繊細な絃が、この工場でつくられているのです。
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