著者紹介
マリーズ・コンデ
1937年、カリブ海のグアドループ島(フランス海外県)にマリーズ・ブーコロンとして生まれる。7歳のときに書いた劇が創作のはじめという。16歳でパリに留学し、パリ大学に進学。ギニア出身の俳優ママドゥ・コンデと知り合い結婚。コートジボワール、ギニア、ガーナ、セネガルを転々としながら、フランス語教師として暮らす。子どもも生まれたが、ママドゥとはほどなく離婚。
のちパリ大学へ勉学に戻り、1975年に比較文学で博士号を取得して、初の小説『エレマコノン』(1976)を発表、遠い父祖の地であるアフリカに自らの場所を見いだせないカリブ海出身の女性の自己意識を自伝的に描いた。バンバラ族の18世紀の王朝に題材を得た歴史小説『セグ』二部作(1984, 1985)がフランスで大ベストセラーとなり作家としての地位を築く。『わたしはティチューバ』(1986)でフランス女性文学大賞を受賞。『生命の樹−あるカリブの家系の物語』(1987)でアナイス・ニン賞を受賞。
この間、イギリス人の翻訳者リチャード・フィルコックスと再婚。また、80年代初頭からはアメリカ各地の大学で教職につく。1986年以降はアメリカとグアドループを往復しながら、カリブ海のクレオール的な混血文化と風土を映し出す数々の作品を発表、『マングローヴを越えて』『新世界のコロニー』『デジラーダ』などがある。現在は作家活動のほか,ニューヨークのコロンビア大学でフランス文学,カリブ海文学を講じてもいる。なお、夫のフィルコックスは彼女の代表的作品の英訳を手がけている。
著書−
Heremakhonon, 1976
Une Saison Rihata, 1981
S使ou 1, 1984
S使ou 2, 1985
Moi Tituba, Sorci俊e Noire de Salem, 1986
(邦訳『わたしはティチューバ−セイラムの黒人魔女』新水社,1998)
La Vie Sc四屍ate, 1987
(邦訳『生命の樹−あるカリブの家系の物語』平凡社,1998)
Travers仔 de la Mangrove, 1989
Les Derniers Rois Mages, 1992
La Colonie du Nouveau Monde, 1993
La Migration des Coeurs, 1995
Desirada, 1997
ほか。